私の実家は借地ではありませんが相続を調べているうちに「借地権付きの建物」というワードが何度もでてきました。
土地は地主のもので建物だけが親のもの。
この場合の相続や名義変更、売却はどうなるのか?気になって調べました。
結論ですが借地権は相続できます。相続のときは地主の承諾も承諾料(名義書換料)も原則として不要です。ただし売却には地主の承諾が必要で承諾料を払うのが一般的です。
※(注意)本記事は専門家でもない私が専門家に依頼した時に知り得た事や個人的に調べた内容をまとめたものです。借地権は契約内容で扱いが変わるため実際の判断は必ず弁護士・司法書士・税理士などの専門家にご相談ください。
借地権とは
借地権は、他人(地主)の土地を借りてその上に自分の建物を持つ権利です。
建物は自分のものですが土地は借りている状態です。借地上の建物を売ると借地権も一緒に移転します。
借地権を相続するとき
借地人が亡くなると借地権は相続財産のひとつとして建物と一緒に相続人に引き継がれます。
【相続のときに不要なもの】
・地主の承諾
・承諾料(名義書換料)
・借地契約書の書き換え
これは相続による移転は借地権の「譲渡」にはあたらないためです。
ただし遺贈や死因贈与の場合は地主の承諾が必要になることがあるのでご留意ください。
借地権を相続したときの名義変更
相続のときは借地契約書を書き換える必要はありません。
ただ次の2つはやっておくと安心です。
・地主に相続が起きたことを通知する
実務上は相続が起きたことを地主に通知することが大切です。通知しないと地代の支払先や契約更新の連絡が滞ってトラブルになることがあります。
・建物の相続登記をする
建物の名義を相続人に変える相続登記をしておくと借地人が誰かがはっきりします。
2024年4月から相続登記は義務化されているので相続で不動産を取得したと知った日から3年以内に登記しないと10万円以下の過料の対象になります。詳細は相続登記の義務化と罰則で書いています。
借地権を売るとき
借地上の建物を売るときは借地権の譲渡になります。この場合は地主の承諾が必要です。
【売却のときの注意】
・承諾なしで売ると借地契約を解除される可能性がある(無断譲渡)
・承諾の対価として承諾料を払うのが一般的でその目安は借地権価格の10%相当額です。ただし特別な事情があれば下がることもあります
・借地権価格について地主と意見が分かれることもよくあります
※承諾料の目安は地域や契約内容によって変わります。実際の金額は地主との話し合いや専門家への相談で決まります。
地主が承諾してくれないときは裁判所に地主の承諾に代わる許可を求める手続きがあります(借地借家法19条)。裁判所が許可すれば地主の承諾と同じ効果になります。
売却の全体の流れは相続した実家の土地・家を売りたいが何から始めればいいで、売るときの税金は相続した土地や家を売ると税金はいくらかかるで詳細を書いています。
相続税の計算
借地権の評価額は「自用地評価額 × 借地権割合」で計算します。
借地権付きの土地にも小規模宅地等の特例が使える場合があります。
その条件は小規模宅地等の特例にまとめています。
※借地権の評価は路線価図に出ている借地権割合や契約内容で変わります。実際の計算は税理士に確認してください。
共有名義の借地権
借地権が兄弟などの共有名義になる場合は売却でまた別の確認が必要になります。詳細は共有名義の底地・借地権にまとめています。
売る前に確認しておくこと
・借地契約書の内容(期間、地代、特約)
・地主の連絡先とこれまでの関係
・地代の支払いの状況
・建物の登記の名義
契約書が見つからないときはまず地主に確認することから始めます。
まとめ
・借地権は相続できる
・相続のときは地主の承諾も承諾料も原則として不要
・名義変更(契約書の書き換え)は不要だが地主への通知と建物の相続登記はやっておく必要がある
・売るときは地主の承諾が必要で承諾料の目安は借地権価格の10%
・承諾が得られないときは裁判所の許可を求める手続きがある
借地権は契約内容と地主との関係で状況が大きく変わります。
売却を考えるときは地主に連絡する前に専門家に進め方を相談しておくと安心です。
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・相続した土地の評価額の調べ方:相続税の計算に使う土地の評価額の調べ方
知っておくべき知識
・借地権を相続するときは地主の承諾も承諾料(名義書換料)も原則として不要です
・借地権を売るときは地主の承諾が必要です。無断で売ると契約を解除される可能性があります
・地主が承諾しないときは裁判所に承諾に代わる許可を求める手続きがあります
「借地権付きの建物を相続したが地主との話し方がわからない」「売りたいが承諾をもらえるか不安」そういった場合は借地権の相談窓口に無料で相談する方法もあります。対象は首都圏にある借地権です。まず無料で相談してみましょう!!
参考情報(公的機関)
国税庁「相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4124.htm
法務局「相続登記の申請義務化について」https://houmukyoku.moj.go.jp/niigata/page000001_00192.html

