「相続した空き家を売ると3,000万円特別控除が使える?適用条件を解説」

節税対策

「この特例、うちの実家にも使えるのか?」

相続した土地・家を売るタイミングを考えて調べていたときに 「空き家を売ると3,000万円特別控除が使える」という情報を目にしました。

「税金が3,000万円分減るなら当然使いたい」と誰もが思うことなので条件を調べてみると「1981年以前の建築」「空き家のまま」 「3年以内」など細かい条件が7つもありました。

「うちの実家はその控除が使えるのか?使えないのか?」 それを確認するところから始めました。

空き家の3,000万円特別控除とは何か

正式名称は「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」です。
相続した親の家を売るときに一定の条件を満たせば 譲渡所得(売却益)から最大3,000万円を差し引ける制度です。

例えば売却益が2,500万円あってもこの特例を使えば課税対象がゼロになり譲渡所得税を払わなくて済みます。節税効果は非常に大きいです。

7つの適用条件をチェックする

控除を受けるには以下の条件をすべて満たす必要があります。

①1981年(昭和56年)5月31日以前に建築された建物

いわゆる「旧耐震基準」の建物が対象で1981年6月1日以降に建築された建物は対象外になります。建築確認済証や登記事項証明書で確認できます。

②被相続人が相続直前まで居住していたこと

亡くなった方が住んでいた家であることが必要になります。
ただし老人ホーム等に入所していた場合であっても一定の条件を満たせば対象になります(2019年4月以降の売却)。

③相続から売却まで空き家のままだったこと

相続後に誰かが住んだり賃貸に出したりすると対象外になります。
相続してから売却まで「事業・貸付・居住の用に供していないこと」が条件になります。

④相続開始から3年以内の売却

正確には「相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日まで」。
例えば2022年7月に相続が発生した場合、2025年12月31日までに売却が必要になります。
1日でも過ぎると控除は使えなくなるため注意が必要です。

⑤売却価格が1億円以下

売却代金の合計が1億円を超えると対象外です。
複数の相続人が時期をずらして売却する場合も合算して1億円以下かどうかを判定します。

⑥耐震基準を満たしていること(または解体して更地にすること)

家屋をそのまま売る場合は耐震基準を満たす必要があります。
旧耐震基準の建物はほとんどが基準を満たしていないため耐震リフォームか解体が必要になるケースが多くあります。

⑦区分所有建築物(マンション等)ではないこと

戸建てのみが対象です。マンションや区分所有の建物は対象外になってしまいます。

2024年改正で何が変わったか

2024年1月1日以降の売却から2点が変わりました。

①買主が解体・耐震リフォームをする場合も対象になった

改正前は売主が売却前に解体または耐震リフォームを完了させる必要がありましたが改正後は買主が「売却した翌年の2月15日まで」に解体または耐震リフォームを完了させた場合も適用対象になりました。不動産会社(買取業者)への売却でも使いやすくなりました。

②相続人が3人以上の場合は控除額が2,000万円に縮小された

相続人が2人以下なら3,000万円の控除が受けられますが3人以上の場合は1人あたり2,000万円に減額されます。兄弟が多い家庭では節税効果が変わるため確認が必要になります。

使えなかったケースで多いのはどれか

以下のケースは対象外になるので注意が必要です。

・「相続後に一時的でも親族が住んでいた」→空き家条件を満たさないため対象外
・「1982年以降に建築された建物」→旧耐震基準ではないため対象外
・「売却が3年の期限を1日過ぎた」→期限を過ぎると一切適用できない
・「子や配偶者など特別な関係にある人への売却」→身内への売却は対象外

取得費加算の特例との使い分け

相続した土地・家を売る際に使える特例は空き家の3,000万円控除以外にもあります。

前に書いた記事で解説した「取得費加算の特例」との使い分けは以下の考え方が参考になると思います。

・空き家の3,000万円控除:売却益が大きい場合に有効
・取得費加算の特例:相続税を払った場合に有効。
ただし2つの特例を同時に使うことはできない。
どちらが有利かは税理士に確認した上で判断することをすすめる。

取得費加算の特例については「相続した土地・家を3年以内に売るべき理由」も合わせて読んでみてください。

確定申告をしないと特例は使えない

この特例は確定申告をしないと適用されません。
税額がゼロになる場合でも申告が必要になります。
申告時には市区町村から「被相続人居住用家屋等確認書」を取得する必要があり、その手続きに数週間かかることもあります。

確定申告については 「相続した土地の確定申告は必要か?」も参考にしてみてください。

【まとめ】条件を事前に確認してから売却を進める

・1981年以前築の戸建て・空き家のまま・3年以内の売却が主な条件
・2024年改正で買主が解体する場合も対象になり使いやすくなった
・相続人が3人以上の場合は控除額が2,000万円に縮小された
・取得費加算の特例と同時使用はできない
・確定申告をしないと特例は適用されない
・条件が複数あるため、使えるかどうかの判断は税理士に確認してから進めることをおすすします。

売却を急ぎすぎて条件を見落とすと数百万円単位の節税を逃すことになるので専門家と慎重にすすめてください。。

3,000万円控除が使えるかどうかの判断は条件が多く自己判断は危険です。
売却前に一度税理士に確認しておくことで数百万円単位の節税になる可能性があるのでまずは相談料が無料の窓口から始めることをおすすめします。

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