「とりあえず今すぐどうするか決められないから、しばらく放置しておこう。」
相続した実家や土地について、多くの方がそう思っているのではないでしょうか。実は私もそうでした。
しかし放置し続けることには、知らないと本当に怖いリスクがあります。その一つが固定資産税が最大6倍になるという制度です。
「放置しようと思っていた・または放置していた経緯」
学生の頃から父親と不仲だったので「何でオレがこんな手間がかかりそうなことをやってやらないといけないんだよ」って思っていたからです。仕事で忙しい上に面倒な事は避けたかったからです。それに放置すれば肉が勝手にやってくれるんだろうと安易な考えも持っていたからです。
この記事では空き家を放置し続けることのリスクと、実際にどう対処すればいいかを私が調べた範囲でまとめます。
※(注意) 本記事は個人が調べた内容をまとめたものです。実際の判断は必ず専門家にご相談ください。
なぜ固定資産税が6倍になるのか
まず仕組みを説明します。
日本では住宅が建っている土地は「住宅用地の特例」が適用されて、固定資産税が最大で6分の1に軽減されています。
【住宅用地の特例】
小規模住宅用地(200㎡以下):
固定資産税が1/6に軽減
一般住宅用地(200㎡超):
固定資産税が1/3に軽減
つまり「家が建っているだけ」で税金が大幅に安くなっているのです。
しかし2015年に施行された「空家等対策の推進に関する特別措置法」により、空き家が「特定空き家」に指定されると、この軽減措置が外されます。
【特定空き家に指定されると】
住宅用地の特例が外される
↓
固定資産税が最大6倍に跳ね上がる
「特定空き家」とは何か
特定空き家とは以下の条件に該当する空き家です。
① そのまま放置すれば倒壊等
著しく保安上危険となるおそれがある
② 著しく衛生上有害となるおそれがある
③ 適切な管理が行われていないことにより
著しく景観を損なっている
④ 周辺の生活環境の保全のため
放置することが不適切な状態
つまり「老朽化が進んで危険な状態」「草木が繁茂して近隣に迷惑」「ゴミが放置されて衛生上の問題」などが該当します。
「実際に実家の状態を見て感じたこと」
外壁修繕とか水回りの修理とかたまにやってたみたいだけど子供の頃に住んでた家がこんなにぼろくなるもんだな~何十年も経過すれば当たり前か~家なんか買って後でリスク背負うなら買うもんじゃないなとか思いました。
具体的にいくらになるのか【計算例】
実際の数字で確認してみましょう。
【例】
・土地の固定資産税評価額:1,000万円
・土地面積:200㎡以下(小規模住宅用地)
【現在(住宅用地の特例あり)】
1,000万円 × 1/6 × 1.4% = 約23,333円/年
【特定空き家に指定された後】
1,000万円 × 1.4% = 約140,000円/年
→ 年間約117,000円の増加!
10年放置すると約117万円の差
これに加えて都市計画税も同様に上がります。固定資産税と都市計画税を合わせると負担はさらに大きくなります。
特定空き家に指定される前に行政から警告が来る
いきなり6倍になるわけではありません。流れはこうなっています。
① 市区町村が空き家を調査
↓
② 所有者に「助言・指導」
↓
③ 改善されなければ「勧告」
(この段階で住宅用地特例が外れる)
↓
④ さらに改善されなければ「命令」
(命令違反で50万円以下の過料)
↓
⑤ 最終的に行政代執行(強制解体)
(解体費用は所有者負担)
「勧告」の段階で固定資産税が6倍になります。そしてそのまま放置すると最終的に強制解体されてその費用まで請求されるという事態になります。
2023年の法改正でさらに厳しくなった
2023年12月に空家特措法が改正されました。
【改正のポイント】
・「管理不全空き家」という新しい区分が追加
・特定空き家より手前の段階でも
住宅用地特例が外れる可能性がある
・より早い段階で固定資産税が上がる
リスクが生まれた
つまり以前より早く・より厳しく対処されるようになっています。「まだ大丈夫だろう」という判断が通用しなくなってきています。
では実際にどうすればいいのか
放置リスクを避けるための選択肢は主に3つです。
選択肢① 売却する
最もシンプルな解決策です。売却すれば固定資産税の負担もなくなり、まとまった現金が手に入ります。
「古すぎて売れない」「田舎だから売れない」と思っている方も多いですが、訳あり物件専門の買取業者であれば対応できるケースが多いです。
売却の全手順についてはこちらの記事で詳しく解説しています。⇒「売却の手順」
選択肢② 賃貸に出す
人に貸すことで住宅用地の特例は継続されます。ただし管理の手間や入居者トラブルのリスクもあります。
選択肢③ 解体して更地にする
建物を解体して更地にすると「住宅用地の特例」がなくなり固定資産税が上がります。ただし建物の維持管理コストや特定空き家リスクはなくなります。売却しやすくなる場合もあります。
まず現在の状況を把握することが最優先
「自分の実家は特定空き家に指定されるリスクがあるのか」を知るには、まず土地・建物の現状を確認することが必要です。
そして売却という選択肢を検討するなら、まず無料査定で価値を知ることが第一歩です。価値がわかれば売るべきか・賃貸に出すべきか・解体すべきかの判断がしやすくなります。
まとめ
- 空き家が「特定空き家」に指定されると固定資産税が最大6倍になる
- 2023年の法改正でより早い段階から税負担が増えるリスクが生まれた
- 放置し続けると最終的に強制解体・費用請求という事態になる可能性がある
- 解決策は「売却・賃貸・解体」の3択
- まず無料査定で土地・家の価値を知ることが最初の一歩
「とりあえず放置」が最もリスクの高い選択です。早めに動くことで選択肢が広がります。
関連記事
- 「相続か放棄か」
- 「売却の手順」
- 参考情報(公的機関)
- 国土交通省「空家等対策の推進に関する特別措置法」https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000035.html
- 総務省「固定資産税制度について」https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/150116_koteishisan.html


